特別編、と銘打ち、シリーズ初のゲストとしてチェリスト長谷川陽子さんをお迎えしての本番でした。
ワタワタしているうちにツーショットを撮っていただくのも忘れてしまっていて、やーこまったこまった、状態なのですが。
長谷川陽子さんがさっそくブログでも触れてくださって感激。「ピアニスト以外には~それほど身近ではないかもしれない」との部分、実際のところ、ピアニストでもアルカンを身近だとまで思ってくれている人はまだまだ少ない気がします。スティーブン・オズボーンさんも「以前は、ただの空虚なひけらかし屋だろうと思っていた」みたいなことを書かれてましたが、まんま彼と同じ勘違いが横行し続けているのが現状ではないでしょうか……。そんな中で長谷川さんが「生き生きとした人間像がイメージできるまでになりました」と言ってくださったのは本当に嬉しいことです。
普段の私は、アンサンブルとなると相手に合わせることに大きな比重を置いてしまう(当然そうすべきと感じてもいます)性質なのですが、今回に関してはオールアルカンは自分のシリーズだ、という感覚もあり、ゲストとして来ていただいている、という立場は承知しつつも、つい我を出したい場面が多くなってしまいました。ところが長谷川さんは当然のように、まったく自在に応えてくださるのです。普通なら「小童が!」みたいに言われる場面ではなかったろうかと思ったりもするのですが(そんなこと言わないか)、恐れ入りました。4楽章なんて、自分がピアノを頼まれて行った演奏会だったら絶対やらんだろうという安全装置解除の突っ走りをやっていたのに、「限界かも!」と笑顔で言いながらガシガシ合わせて弾いてくださり、「4楽章はいちばん楽しいです!」とまで仰るのですから。心底、最高のゲストでした。ありがとうございました。
まったくタイプの違う大規模なソナタを並べて弾いてみて、やっぱりこの作曲家の感性の幅が好きだなぁと再確認できた本番でもありました。演奏の方はまだまだ至らない点も多いですが、ちょっとでもアルカンを身近に感じてくださる方が増えてくれたら、自ずと「空虚なひけらかし屋」なんて烙印から彼は解放されていくだろうと信じています。
ご来聴の皆様、そして運営を手伝ってくださった方々、そして素晴らしい初ゲスト長谷川陽子さんに、いまいちど心からの感謝を捧げます。重ね重ねありがとうございました。
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