フォルテピアノの練習

DULCKENフォルテピアノ

おしらせして参りました通り、来る調布音楽祭2016モーツァルト・ガラコンサートにて、初めてフォルテピアノでステージに立ちます。いや座ります(どうでもよろしい)。ということでスタジオに出向き、当日使用する楽器で練習を始めております。

現代のピアノと比べると、音色ももちろん異なるんですが、何よりタッチやそれに対する反応のしかたの違いが大きい。その結果として、身体に宿る音楽の形(?)が変わってくる気がします。ちょっとした身振りが音に出るような感覚なので、音楽も少しおしゃべりなキャラクターが向いているというか。モーツァルトの精神は、彼の時代の楽器と本当に相性が良かったのだろうなあ、というのが実感されるのです。

フォルテピアノはやっぱり、楽しむための音楽が似合います。その時どきの気分でどんどん変わる生き物みたいな音楽。今日のクラシックにつきまとう、精神を磨きぬいて至高を目指す、といった緊張感とは無縁の世界。モーツァルトはそうやって活き活きと弾いていたわけなんだなあ、としみじみ感じます。いや、私は求道者みたいに突き詰めた先の「リサイタル」みたいな形も……というよりそういうの「が」大好きなんですけどね。そして現代のグランドピアノは、そういう精神と呼応しやすい楽器だとも思う。

自分は「人を楽しませる話術」みたいなものと無縁な性格なもんで、モーツァルト的な表現に行き着くまでにはどうしても沢山の回り道をしなきゃいけない人間なのです。でも、そろそろそんな方向の舞台もできるかな、やってみたいな、とようやく思えるこの頃、このフォルテピアノデビューはとてもうれしい機会になりそうです。

……練習のあとは高校~大学時代の師匠・辛島輝治先生の演奏会に。デビュー55周年! まさに求道者のようにシューベルトを奏で続ける先生、でもそんな求道の先の楽しさ、自由さが(端正な中から)じんわりと出てきて、ああやっぱり好きだなあと思える満ち足りた時間でした。

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